良著から見えてくる20代の若者に伝えたい仕事に効く100フレーズ

日々読破している様々な書籍の中からフレーズを拾い、ぜひ20代のニューリーダーに知って欲しい「仕事に役立つエッセンス」を紹介しています。仕事に悩む若き社会人の一助になればと願います。メッセージでのご相談大歓迎です!

vol.20「HARD THINGS」から見える20代の若者に伝えたいフレーズ

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何かと話題になっていた「HARD THINGS」を読破した。翻訳本はやはり読みにくいというのが読み終えての感想だが、ただ、いかにして企業のTOPがTOPとして成り得るのか、非常に勉強になる書籍だ。

著者であるベン・ホロウィッツは、今こうやって我々がインターネットに気軽に触れられるきっかけとなった、モザイクとネットスケープの基礎を作ったマーク・アンドリーセンの相棒である。彼がいなかったらJavaScriptSSLもクッキーもこの世になかったかもしれない。なんとも不便だ。

本著はいかに彼が今の成功を手にするまで修羅場をくぐり抜けてきたのか、またその時はどのような心境であり、CEOとはどうあるべきかをリアルな描写とともに描いている。何か、映画を見ているような迫力がある。

 

序文でのこんな投げかけで本著はスタートする。抜粋。

起業しても、企業の中で取り組む新規事業にしても、たいていのことはうまくいかない。ゼロから何かを生み出そうと思ったら、予定通りに進まないのは当たり前だと思ったほうがいい。むしろ、うまくいってないときのほうが普通である。やっとの思いでひとつの問題を解決したと思ったら、別の方向から問題がまたむくむくとわき出て来る。

自分の会社でもそうだが、若手、新人が新規事業を担うケースは少なくない。できないこと、まだ形になっていないことをやるのだから、うまくいかなくて当然なのに、古参の社員は「無理だ」「できっこない」とネガティブなことを言う。だからチャレンジするのになぜ足を引っ張るようなことを言うのか?理由は簡単だ。新しいことが企業内で芽吹いたら、過去を否定=自分の存在意義の否定になるからであろう。イノベーションの第一関門は社内にあるとつくづく感じる。イノベーションとは圧倒的な社内の孤立から始まる。本当にその通りだ。

 

序盤で著者が語る会社経営に対する心意気に感銘を受ける。抜粋。

どの会社にも、命懸けで戦わなくてはならないときがある。戦うべきときに逃げていることに気づいたら、自分にこう問いかけるべきだ。 「われわれの会社が勝つ実力がないのなら、そもそもこの会社が存在する必要などあるのだろうか?

経営者に限らず、自分の価値は何なのかと時には考える時間も必要であろう。本当に勝負できているか、逃げていないか、自分に嘘をついていないか、何事も真剣に取り組んでいるか、体育会のノリだが、やはり、仕事も気概が必要だと思う。

 

悪い上司と良い上司の対比が非常に響く。抜粋。

良い製品マネジャーは、製品の深刻な欠陥を予見して、真の解決策を準備する。悪い製品マネジャーは、一日中火消しに追われている

 

経営する立場になって痛感するのは、何事にも首を突っ込まないといけない、突っ込まないと誰もやってくれないということ。主体性を持たざるをえないから、実力もつくのかもしれない。そのためにも多くの人からフォローされる、働きやすい環境を作ることも大きな経営課題だと思う。抜粋。

企業文化を育成しようと決めたとき、企業文化の多くは、後になってそう呼ばれるようになる。初めから意図してシステムの中につくり込めるものではない。創業者や初期の社員たちの積み重ねがやがて企業文化と呼ばれるようになっていくのだ

そう、だからこそ、社員に信頼され、仲間に信頼される必要がある。この人のためならと思われる人物に、著者のベン・ホロウィッツのような修羅場をものともしない精神力と圧倒的な実力を持ったビジネスマンを目指したいと思わされる名著であった。

 

まとめ

  • 新しいことにチャレンジしてもほとんどの場合うまく行かないのが当然である
  • イノベーションとは圧倒的な社内の孤立から始まる
  • 企業文化とはその時代時代のイノベーターが作り出した産物である

 

HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか

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