良著から見えてくる20代の若者に伝えたい仕事に効く100フレーズ

日々読破している様々な書籍の中からフレーズを拾い、ぜひ20代のニューリーダーに知って欲しい「仕事に役立つエッセンス」を紹介しています。仕事に悩む若き社会人の一助になればと願います。メッセージでのご相談大歓迎です!

vol.51『運は創るもの』から見える20代の若者に伝えたいフレーズ

ニトリ

本記事の読了時間目安は4分です

 

ニトリ創業者である似鳥昭雄氏の半生を綴っている。日本経済新聞に連載されていた「私の履歴書」を編集されたもので、非常に読み応えがあった。

 

 

幼少時代

著者は1944年の樺太生まれ。戦時中の苦労が赤裸々に描かれており、戦争の悲惨さをあらためて実感する。

実家が家業を営んでいたこともあり、その生活は過酷を極める。著者は性格もあるのだろうが、幼少時からロマンとユーモアを駆使して生き抜くシーンが多く登場。

実父から言われた「能力がないから色々な人の力を借りていけ」を実践することが、ニトリの成功にもつながっていることには感動した。

ニトリが成功したのは「運が8割」と語っているものの、実際に著者が語る雲の定義は非常に深い。

運は、それまでの人間付き合い、失敗や挫折、リスクが大きい事業への挑戦など、深くて、長く、厳しい経験から醸成される

さまざまな要素が絡み合い、運は導かれている。だからこそ、日々の取り組みや積み重ねがいかに人生において重要かを思い知らされる。

仕事への向き合い方

いくつか書中に出てくるビジネススタイルが伺える一節を抜粋する。

仕事というものは、エゴやプライドによって相手の立場を忘れてしまうと失敗する。欲があるうちはダメだ。無になるしかない

「業界はこうだった」とか「自分の経験ではこうだった」とか、最初に過去の成功方程式を出したら終わりだ

やはりビジネスは利益を優先するのではなく、社会のためにという目的があってこそ、強い動機が生まれ、成功する

組織の規模を問わず、経営者とは人格者であり、夢語り人であり、理念伝達者であるべきであろうと、あらためて痛感した。著者風にいうと「ロマンとビジョン」が大切なんであろう。

上司と部下の関係

ニトリのような大企業でも、というか大企業だからこそ、人の教育という問題は難しいのかもしれない。上司と部下に関する一節から考える。

社員の大半は短所を気にするし、その点を責める上司が多いように感じる

上司がするべきことは部下の欠点を見つけることではない。長所を見つけて、伸ばしてあげ、それに適した仕事を探すこと

短所あるを喜び、長所なきを悲しめ」とも著者が語っているように、一般的に先輩社員は、部下の悪いところを見がちだ。どうしても悪いところは目につくし、一般論を振りかざしたくなる。

弊社にも2022/4に新卒の女性社員が入社した。本当にありがたいことだ。勢いもあるし元気、でも詰めが甘い。だから、自分を含めた年配社員はどうしても、目立つ箇所を指摘したくなる。

Z世代特有の「納得しないと動かない」という感覚を感じつつも、年配者の関わり方をアップグレードさせないといけないと感じている。やはり、良い点を伝え、伸ばすことに時間と労力を使うべきだと思う。それが双方の幸せに繋がるであろうから。

プロ150訓

巻末にプロの150訓というプロフェッショナル心得帳という蘭があり、なかなか深いので、いくつか抜粋。

プロとは障害を認めない人である。したがって、どのような障害があっても、求める必要な結果を、必ず、達成する

仕事に必要なのは、する力ではなく、それをやり遂げようとする、執念である

プロは、普通の人から見れば、何でもないことに「おどろき」「うたがう」幼児のような素直さ、柔軟性をもっている

ここだけ読んでもいいくらい人生とビジネスの知見が集約されている。

 

若いこれからの時代を担う方々に是非とも捉えていただきたい一節がこれ。

どんなつまらないと思われる仕事でも、全力で正面から取り組め。会社の仕事は、すべて一見つまらないと思われるような仕事の上に成り立っている。その基本的な、一見つまらない仕事すら満足にできないものには、それ以上の仕事をさせるわけにはいかない

昭和的、と言われれがそれまでだが、人生も仕事もやってみなければ分からないことが非常に多い。もしかすると不条理な投げ方でやらされる仕事かも知れないが、その中でだからこそ見出せることもあるハズだ。

不幸と思うか、試練と思うかで仕事への向き合い方が変わる。是非とも今ある境遇を前向きに捉えてもらえれば幸いである。

まとめ

  • 運は、それまでの人間付き合い、失敗や挫折、リスクが大きい事業への挑戦など、深くて、長く、厳しい経験から醸成される
  • 短所あるを喜び、長所なきを悲しめ
  • どんな仕事でも、全力で正面から取り組むと見えてくる世界がある