良著から見えてくる20代の若者に伝えたい仕事に効く100フレーズ

日々読破している様々な書籍の中からフレーズを拾い、ぜひ20代のニューリーダーに知って欲しい「仕事に役立つエッセンス」を紹介しています。仕事に悩む若き社会人の一助になればと願います。メッセージでのご相談大歓迎です!

vol.49『仕事ごっこ』から見える20代の若者に伝えたいフレーズ

f:id:omarumania2010:20200404165949j:plain

本記事の読了時間目安は5分です

平易な表現を用いて、ビジネスシーンにあるくだらない慣習に切り込む、なんとも爽快な内容。あるある、と頷きながら読むようなイメージだ。

新型コロナウイルスの影響で、働く環境が強制的に切り替わる中、本著にある「仕事ごっこ」に掲載されている"常識"は、今こそ変える時と言えるであろう。

私たちの身のまわりには、無駄にモチベーションを奪っている慣習がたくさん存在しています。それらは「定例」「あたりまえ」「常識」の仮面をかぶって居座り続けています

2020/4/3の日本経済新聞にも、ハンコによる作業(押印、承認)によって、テレワークでの業務を妨げていると記載があった。風情は認めるが、事業スピードを上げるためにも、そろそろ古い慣習はアレンジする必要がある。

本著の冒頭にも記述があるが、そもそもビジネスシーンで時間を奪うケースの大御所として、紙による管理・運用があるであろう。紙で管理すると数え切れないほどあるが、

  • 印刷するコスト・時間
  • ホッチキスの時間・コスト・管理
  • 共有が面倒
  • 管理スペース取る
  • 管理コストかかる
  • 保管業務が増える(ファイル管理)

こういうことが起きてしまう。無論、手元にあることでの

  • 安心感
  • 書き込める手軽さ
  • 物理的な所有

などもあるが、やはりこう列挙してみると、対面でリアルで集うということを前提とした"システム"ということが理解できるのではないか。

 

f:id:omarumania2010:20200404181612p:plain

「zipファイル+パスワード別送」についても強烈に切り込んでる。ビジネスシーンでは慣れきったこの慣習、これはビジネスインフラがメールベースでの話だ。slack、チャットワークなど、PJT単位でのやりとりはチャットツールの時代だ。限られたメンバーでのやりとりであれば、そもそもパスワード管理する必要性は薄れる。

はじめてやりとりする相手とはメールでやりとりするにしても、継続的にコミュニケーションする相手とはグループウェアなどで信頼関係を結び、その中でパスワードをつけずにスピーディにやりとりする。場所や時間を選ばず情報共有できる環境を整える

「zipファイル+パスワード別送」は、送信する側だけスッキリして、受け取る側の手間やセキュリティリスクに配慮しない、自己満足な習慣ともいえます

確かにセキュリティ管理は大切だが、行きすぎた感もあるかもしれない。事実、グローバルでここまでの事例はなく、これまたガラパゴス現象らしい。

 

f:id:omarumania2010:20200404190630j:plain
他にも同類の「仕事ごっこ」は山ほどある。抜粋。

なぜ、日本の会社の新入社員は電話対応とコピーから始めなければいけないのでしょうか? ほかの国の会社の若手と、実力の差がつきます

確かにその通り。「新入社員は使えない」という先入観はなぜ生まれるか。そもそも荒波を潜り抜けて入社しているんだから、彼らが早速活躍できるために支援することが必要だ。電話対応もコピーは必要な仕事だが、電話はコールセンターに外注し、コピーは取らずデジタル化が進む。コアはコミュニケーションであり、礼儀であり、そこを伝承できれば問題ないはずだ。

挨拶回り、表敬訪問、あるいは視察。この手の慣習は、なかなかなくなりません。なぜなら、するほうもされるほうも「仕事した感」に浸れるからです

自分が清掃会社で社長をしていた時、数週間前に現場のお客様に会ったので、電話で年末の挨拶をしたら、かなり不評だった。会いに行くことが目的になっている。なのに2週間後の新年の挨拶にもいく。来る方も来る方で、いきなり年始に来てもすれ違う。そういう根性的な不確実性の高い行動はもう控えようよ、と言いたい。計画的に、効果的に、目的をもって、面談をすべきではないだろうか?

挨拶が目的ではなく、感謝も目的でなく、双方の会社が今後、どのように仕事をしていくかということを詰めるべきで、そのための手段として「挨拶」だと思う。「単なる挨拶」なんて意味ないでしょ、と思っているので、いまは一切やらない。時間がもったいないから。

f:id:omarumania2010:20200405055730j:plain

最後に、著者が語る上司像について。抜粋。

「苦労して出世し、いまのポジションを手に入れたんだ。キミたちも、偉くなりたければ理不尽に耐えろ」その気持ちはわからないでもないですが、あなたの自己満足でしかないかもしれません

管理職のミッションは、チームをゴールに導くこと。そのためなら、管理職のあなたから部下に相談するなり、報告するなりしてもいいはず。そのほうが、部下も管理職に話しかけやすくなります

過去に味わった理不尽な労苦を、他の人にはさせないで、組織を健全に育てていく

苦労という言葉だけが走ることがある。苦労とは成功する、前に進めるための手段のはずだ。理不尽な苦労は排除すべきだし、考え方としては目の前にいる新人なり部下にとって、どういうやり方、伝え方が、本人の能力・やる気を引き出せるか、で考える。それが自分の過去と同じであれば伝えればいいが、そうでないならそれは年配者の単なるマスターベーションだ。

正しく活躍して、正しく価値を発揮できる。ダイバーシティ本来のゴールは、そこのはず。本質に立ち返り、邪魔するものは少しずつでも排除していきましょう

うさぎ跳びはさせない。それは今の時代のトレーニングにミスマッチだから。ビジネスシーンも同様だ。目的をしっかり見据えて、必要性を考えないと意味がない。

 

最後にこれは自分自身もよく言っているフレーズ。抜粋。

イノベーションは、いままでのやり方の延長線上にはありません。前例なきところに、新しい未来が生まれるのです

そう、常にポジティブに、常に実用的に、そして、常に後輩の言葉に耳を傾けて、優しく。自戒の念を込めて。これから出会う若きリーダーにエールを送りたい!

 

まとめ

  • 無駄にモチベーションを奪っている慣習は即見直すべき
  • 管理職のミッションは、チームをゴールに導くこと
  • イノベーションは、いままでのやり方の延長線上には存在しない
仕事ごっこ ~その“あたりまえ"、いまどき必要ですか?

仕事ごっこ ~その“あたりまえ"、いまどき必要ですか?

  • 作者:沢渡 あまね
  • 発売日: 2019/07/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)