良著から見えてくる20代の若者に伝えたい仕事に効く100フレーズ

日々読破している様々な書籍の中からフレーズを拾い、ぜひ20代のニューリーダーに知って欲しい「仕事に役立つエッセンス」を紹介しています。仕事に悩む若き社会人の一助になればと願います。メッセージでのご相談大歓迎です!

vol.48『奇跡のパン 日本中で行列ができる「乃が美」を生んだ「超・逆転思考」』から見える20代の若者に伝えたいフレーズ

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乃が美 食パン

麻布十番で見かけた長蛇の列。噂ではきいたことはあったけども、あれが高級食パンの店か、と通り過ぎていた。読んでみてSTORYに溢れ、作り手のゼロイチの奇跡を起こす道程は身震いするほどだった。まさか、東京を最後の出店場所にするのも戦略があったことに驚いた。

 

米とパン。朝食?の主食として対比されることが多く、最近ではパンの消費が増えているとよく聞く。中でも食パンは安い、というイメージが強く、「志が美」の食パンが1斤800円とは確かに高いと普通は思うだろう。

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そんな常識を覆す根底にあるのは、常識を常識として捉えない生みの親のスタンスがある。何事も過去の事例と比較して僕らは生きている。でも、イノベーションは常識を疑い、ユーザのメリット、社会的な意義を体現したいことだけに集中したときに起こるのであろう。抜粋。

 

プロが陥る「常識の限界」をいやというほど味わった僕は、この事業を始めるとき、それまでのすべての「当たり前」を捨て、「逆を行こう」と思ったのだ

経験豊かなプロが考えたら、ここまで無茶はできなかっただろう

経験という言葉を僕らは日常的に使う。目に見えないこの言葉は確かに力強い。ポジティブに感じる。しかし、それは逆説的に見れば常識にとらわれやすいということも生み出すように思う。「志が美」では経験者を採用しないらしい。新しい価値を作るのだから、その経験が邪魔をするというわけだ。

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これは他の産業でも起こっている。食パンのみならずあらゆる業界の常識が短期間で切り替わる。価値も手法も即座に陳腐化する。つまり、経験値が価値にならない時代にきている。大切なのはいま何ができるか、いま何をやるべきかを考え、実行することではないか。

食パンは日本の食生活、とくに朝食を支える主食であるにもかかわらず、食べづらさがついて回る食べ物だった

朝はパンと決まっているから「なんとなく」「仕方なく」「とくになんの感慨もなく」食べてきた人も多いだろう

老人ホームで、パンの耳を食べ残す光景をみて、食パンの置かれている状況を疑問に思う。歯の弱くなった高齢の方に美味しい食パンを食べて欲しい、そういう思いで気の遠くなるような奇跡のパン作りの光景が描かれている。

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ものを売る商売の場合、成功のポイントは、「自分で買うだけ」では飽き足らないくらいの感動や喜びを提供することだと思う

究極の商売とは、自分で買いたくなる、お金を払いたくなる商品をつくること。その商品に惚れ込んでないと良い提案も笑顔も生まれない。当たり前だが、そのくらい商品・サービスとは大切なものだと思う。

難攻不落に思えた土地でも成果を出してきた自分たちのパンで、仮に自分の店舗だけがふるわないとしたら、その理由を「自分たちの中に」考えることに心血を注がなければならない

やはりどの偉人もこのスタンスで取り組んでいる。何事も原因、対処方法を自分の中に置くことがいかに大切かと思う。してくれない相手を憂えず、何が自分でできるか考える力。それが成長につながるし、もしかすると、それしか成長にならないのかもしれない。

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最終章にあるチーム理論が深い。抜粋。

十人十色の人となりが組み合わさってチームは回る。アクの強い人間、おとなしすぎる人間、腰の重い人間などなど、多様な持ち味が絡み合うことで組織は動く

目立たないけれど、地道に働き続けている、そんな人物を高く評価することで報いたい。100年企業をめざす「乃が美」では「続ける」ことが何よりも大きな価値

適材適所。わかっていてもこれが難しい。ビジョンを明確にして心通じ合った上で、それぞれの得意分野を見極め、そこにフォーカスする。そして続けてくれることにTOPは会社の気持ちを言葉と形(お金)で示すことが大事なんだと思う。

 

まとめ

  • イノベーションは常識を疑うところから生まれる
  • 大切なのは経験値ではなく、いま何ができるか、いま何をやるべきかを考え、実行すること
  • 究極の商売とは、自分で買いたくなる、お金を払いたくなる商品をつくること