良著から見えてくる20代の若者に伝えたい仕事に効く100フレーズ

日々読破している様々な書籍の中からフレーズを拾い、ぜひ20代のニューリーダーに知って欲しい「仕事に役立つエッセンス」を紹介しています。仕事に悩む若き社会人の一助になればと願います。メッセージでのご相談大歓迎です!

vol.40「日本企業ーCEOの覚悟」から見える20代の若者に伝えたいフレーズ

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一言で言って「気持ちの良いスカッとした気分になる」一冊だった。言わずと知れた著者の父・安藤百福インスタントラーメンの生みの親。その次男が本著の著者である安藤 宏基である。男気のある爽快な人物像が伺える。

 

CEOとして会社の代表として彼の覚悟を感じる文面。抜粋。

CEOとしてやるべきことはただ一つ。会社の持っている経営資源を最も効率的に生かして理想形の事業構造を設計することである

会社の事業計画は政治家の公約とは違う。起業家は数字が全てで、逃げも隠れもできない

世の中にコミットメントした以上、その責任を負う。これがCEOの仕事だ

 

人類が生きていく上で欠かせなくなったカップヌードルは、発売45周年の2016年3月、世界累計販売食数字400億食を記録。現在、世界80か国と地域で売られており、海外販売比率は70%だという。

本著の中盤で、カップヌードルという商品だからこそ直面する苦悩が印象的だ。世界の先進国で、税収が行き詰まるとジャンクフード税が好んで検討されるのは、「肥満対策」「医療費削減」「税収アップ」という一石三鳥のお題目が並ぶからだという。

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カップヌードルもそのように捉えられることがあるのは想像できるが、海外ではジャンクフードは収入の少ない家庭ほど多く食べられる傾向にあるため、その影響も甚大なようだ。だからこそ、さらにカップヌードルの栄養面、イメージ面についても飽くなき前進を推し進めている。

 

偉大なる父の跡を継いだ著者からは気負いは感じられない。ここまで使命感を持ってやっている一族経営者も珍しいのではないか。読み進めていて感じるのは、経営者としての使命感と変化する世の中に合わせる順応力だ。抜粋。

私が社長になった30年前と現在を比較すると、社長のやるべき仕事は大幅に増えた。しかも内容が複雑化してきた

昔、経営はもっとシンプルだった。社長の仕事は取締役会を開き、意思決定し、自ら業務を執行することだった。つまり、やりたいことができた。様々なリスクを乗り越え、果敢に挑戦するところに経営の醍醐味があった

昔、日本企業の社長には、入社して30年から40年間働き、専門部署で業績を上げ、会社に利益をもたらした人が就任することが多かった。「過去の報奨としての社長」という意味合いが強かった

特に最後の一文には深く考えさせられる。社長業の在り方が大きく変わってきている思う。よく考えてみると、一部門で成果を上げた人が、50歳、60歳になって経営の仕事が果たしてできるだろうか? 中には優秀な方もいるだろうから、全ては否定出来ないかが、つくづく思うのは経営マインドは経営者にならないと磨けない、ということだ。

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だから、30年、40年、他の仕事をしていた人が、急に経営の仕事を出来るわけがない。実際、著者である安藤 宏基が日清の社長についたのは37歳だ。帝王学なるものはあるのだろうが、やはり立場と経験が人を成長させる。だからこそ、改めて声高に言いたいのは、社長業は若いうちに携わらせたほうがいいということだ。

 

企業のあるべき姿に自分も苦悩している。人は変わることに抵抗が強いから、今日やったことを同じように明日も行おうとする。しかし変化の激しい現代に置いて、それは停滞ではなく、後退である。如実に表したメッセージを抜粋。

企業が長く生き残るためには、硬直した思考を捨て、時代の変化に柔軟に対応していかなければならない。そうしないと企業は滅びるだろう。とくに大きな企業ほど動きが取れなくなって、恐竜のように倒れてしまう

環境の変化に適応して生き残るためには、突然変異を起こさなければならない。それも1度ではなく、できれば2度、3度と繰り返せば理想的である

企業にとって突然変異とは「発明・発見」のことである。1つのイノベーションによって企業が劇的に変わることがある。そんな「跳躍的なイノベーション」が必要なのである

本ブログを読み、苦悩する20代の次世代リーダーに是非伝えたい。変化することがデフォルトであり、仕事の定義はますます高度化し二極化に向かっている

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決まった業務を効率的に行うこと、非専門的な知識に優れていることなどで自分ブランドを構築できる時代は過ぎ去ろうとしている。過去の経験、人脈、世の中の変化を即座に捉え、新しい価値創造をするクリエイティビティこそが、人間本来の仕事に置き換えられてきている。誰しもが、イノベーションを起こすことを期待され、そうでないひとは低層に所属する厳しい未来がそこまできている

高みを目指し、自分を鼓舞する、叱ってくれる優秀な仲間と付き合い、自分より優秀なメンバーを組織に招き入れ、まさに自走できる、ゼロイチのビジネスを創り上げるマインドが求められているのではないだろうか?

 

最後に、仕事で大切なことを語った凝縮の一文を抜粋。

大事なのは、顧客のニーズに耳を傾けるということと、すばやく対応できるスピードである

これに尽きる。自分が相手だったらどう思うか、これを耐久し続けることがイノベーションにつながるのであろう。心が奮い立つ名著、ぜひ若い方に読んでいただきたい。

 

まとめ

  • 立場と経験が人を成長させる。だからこそ、社長業は若いうちに携わらせたほうがいい
  • 企業が長く生き残るためには、硬直した思考を捨て、時代の変化に柔軟に対応していかなければならない
  • 仕事で大事なのは、顧客のニーズに耳を傾けるということと、すばやく対応できるスピード
日本企業ーCEOの覚悟

日本企業ーCEOの覚悟