vol.25「小が大を超えるマーケティングの法則」から見える20代の若者に伝えたいフレーズ
雪が解けると、「 」になる
と聞かれたら何と答えるだろうか?
これはマーケティング的な有名なテストで、本著にも記載があった。
- 水:64%
- 春:25%
- その他:11%
何が正解かを問うものではなく、「論理タイプ」か「感性タイプ」かをみるものである。本著に記載のあった特徴をまとめるとこうなる。
- 水:論理型:サイエンス(理性、機能、分析、論理):左脳型
- 春:感性型:アート(感性、情緒、感情、直感):右脳型
なるほど。私見だが、Googleの創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは右脳型であると思う。だからこそ、左脳型のエリック・シュミットが加わることで加速度的にビジネスに発展していったのではと考えさせられた。よく経営者には右腕が必要だと言われる所以もここにあるんだと理解した。
いきなり質問から入ったが、本著はマーケティングの定義を再認識させられる本物の名著だと断言したい。多くの市場調査を元に、何を持ってマーケティングというのか、いかに企業にビジネスマンにこのマーケティング力が必要かを考えさせられる。
冒頭ではこうマーケティングが定義されている
消費者は、モノではなく、「価値」を買っている。であれば、マーケティングの第一歩は、価値を把握することである
販売とマーケティングの違いに関する内容がいかにも興味深い。
- 販売:作ったものをいかに売るか:商品軸の発想
- マーケティング:買いたくなる商品をいかに提供するか:顧客軸の発想
「WHATではなくWHY」「何を売るのかではなく、なぜ買うか」、、、ビジネスもそのように考えないとそれは「売り込み」という行為になり、結果的に伸び悩むということであろう。抜粋。
商品の販売が不振になると、何とか今ある商品を売り込もうという、売り手の発想に陥ってしまう。「売りたい気持ち」が先行してしまうのである
わかりやすいデータの累積が本著の売りとも言える。
- 小さな店の強みは、「 」である
- 大きな店の強いは、「 」である
- シンガポールといえば、「 」
- マレーシアといえば、「 」
全てが数値計測されており、いかにこういう数的データが根拠として強いのかがわかる。
小さな企業に求められる戦略を「シンボル」と定めている。抜粋。
小さな企業は、すべての商品のレベルを平均的に高めるのではなく、何かに特化することが必要だ。「一芸に秀でる戦略」である。そのためにはシンボルが欠かせない
そのために必要な要素を「価値性」「独自性」「優位性」と掲げている。売り方を考える前に、売れるのかではなく買いたいのかを追求する。それが小さな組織がマーケティングでとる戦略と言えるであろう。
何でも安く買える時代だからこそ、こういう「価値」にこだわることが重要な時代になって来ている。抜粋。
消費者の誰もが望んでいるのは「高い価値」であって、「低い価格」ではない
価格を下げたらライバルも下げる。それだけでなく、安さで流入させた商品者は、もっと安い店に移ろいやすい。値を下げずにどうすれば顧客が買い、満足するのか。常に知恵を出すことが肝要だ。
この時代の変化に対する論調が非常に秀逸だ。
今は、変化の時代。社会は変わり、顧客も変わり、ライバルも絶えず変化する。唯一変化しないのは、「変化する」ということだけだ
終盤に出てくるアンケート(1,000人対象)が最も時代を反映している内容だ。
あなたの現在の生活で足りないと思う商品をひとつあげてください
- とくにない:668人
- テレビ:36人
- 洋服:21人
- …
である。そう、現代はモノで満たされている時代であり、安心、安全、便利、安らぎといったコトに対する満足度を求めているんだと思う。別にスマホが欲しいわけではない、便利な生活に満たされたいだけである。
だからこそ企業はアンケートに直接的に現れない見えない需要を先回りして提供する、顕在化したニーズを形にして「WAO!」を提供する、それがイノベーションであると思う。
最後にチャレンジすることの重要性を筆者はこう述べている。抜粋。
何かにチャレンジすれば必ず結果は出る。「小さなチャレンジ」の結果は、「小さな成功」か「小さな失敗」のいずれかだ。成功したら、それを続けていけばよい。もし、失敗したとしても、それは「小さな失敗」だ。致命傷にはならない。逆に、成功への糧になる。
できない理由を探すのではなく、やれる方法を探す。結局至るポイントはそこだと改めて考えさせられる。
まとめ
- 消費者の誰もが望んでいるのは「高い価値」であって、「低い価格」ではない
- マーケティング的な発想とは買いたくなる商品をいかに提供するかである
- 失敗したとしても、それは「小さな失敗であり、逆に成功への糧となる