良著から見えてくる20代の若者に伝えたい仕事に効く100フレーズ

日々読破している様々な書籍の中からフレーズを拾い、ぜひ20代のニューリーダーに知って欲しい「仕事に役立つエッセンス」を紹介しています。仕事に悩む若き社会人の一助になればと願います。メッセージでのご相談大歓迎です!

vol.46『LFP 企業が「並外れた敏捷性」を手に入れる10の原則』から見える20代の若者に伝えたいフレーズ

チーター 俊敏性

大阪の某大手メーカーの社長から推奨された書籍だ。少し古いが、企業の俊敏性に対しての考え方にフォーカスした内容であり、いかにスピーディに対応、動くことが大切かを見せつけられると思う。

VUCA

LFPとは「足跡が残らないほど敏捷」Light Footprintという意味だ。なるほど、そのくらいのスピード感を著者は必要と説いている。

さかんに世界の状況を説明する用語としてVUCAという言葉が出てくる。

  • Volatility(不安定性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧模糊)

我々は「不安定で変化が激しく、先が読めず不確実性が高く、かつ様々な要素が複雑に絡み合い、きわめて不明確で不透明な環境」の中で生きている

VUCAという経営環境の最大の特徴は、「安定が期待できない」ということである。企業は常に様々な変化に晒され続け、不安定であることが常態化している

難しそうだが、先が読めない、と捉えていいと思う。これまでの常識も、考え方も、何もかもが瞬時に色褪せる時代だということだ。だから俊敏性を強調している。

 

GAMECHANGE

ICTの進展は新たな事業を創出する一方で、既存の事業やビジネスモデルを一気に陳腐化させ、衰退させる。それまでの「ゲームのルール」が一変し、長い時間かけて築いた競争上の優位性が瞬く間に消失する

やはりその根底にあるのはテクノロジーの加速度的な変化であろう。ここにもあるようにICTないしはインターネットの登場があらゆる価値を再定義した、再定義しようとしている、と言っていいと思う。だからこそ、過去を現在を疑い、俊敏に行動していかないと生き残れないということだ。

経営視点の一文も震える。

昨日の成功はもはや過去のものにすぎない。今日の成功でさえけっして明日の成功を保証しない。経営者はいつ終わるともしれない不安と混迷を前提に、経営の舵取りをしなければならない

「乱気流の時代」においては、これまでの安定期に勝者であった企業が勝つとは限らない。むしろ、安定期の経営そのものが大きな足枷になりうる

これまでの経営の常識を否定し、まったく新たな発想で経営そのものを「変身」(transformation)させることが必要

確かに期待はありつつも不安も同様に抱えながら経営者は日々取り組んでいると思う。そのくらい先行きが読めないが、だからこそ、誰でも陽の目を見るチャンスがあるとも言える。

 

ViSION

その中にあってやはり会社を成長させる上で欠かせない要素がビジョンであると感じる。我々は何のために働いているのか?それを明示し、共有、共感しないと組織はワークしない

乱気流という不安定な状態が継続するからこそ、組織を束ねる「求心力」となるビジョンや戦略のグランドデザインは不可欠なのである 

現在の組織運営の変化を象徴する内容は、伝統を重んじる日本企業には奇異に映るかもしれないが、世界では企業のあり方、働き方が確実に変化している

意周到に戦略を練るということには時間を割かず、面白そうなものはとりあえずやってみて、実行の過程の中で事業性や優位性を見極める。グーグルは「じっくり戦略を練り、計画に落とし込んでから実行」という伝統的な経営の進め方とは無縁である

ウーバーでは「Done Is Better Than Perfect」という言葉が定着している。日本語に直すと、「完璧を求めずにまずはやってみろ」である

名門コダックは破綻したにもかかわらず、なぜ同業だった富士フイルムは新たな成長軌道に乗ることができているのか。それはドラスティックな環境変化を真正面から受け止め、過去と決別し、新たなビジネスモデルへと変身してきたからである

ZARAは「つくったものを売る」ではなく、「売れるものをつくる」ことに徹している。ZARAにおいては、デザイナーは主役ではない。あくまでもチームの一員であり、主役はあくまでも消費者であるという意識が共有されている

いずれも海外の会社であるが、徹底した顧客視点であること、常に疑問を投げかけることを重んじている、いや、それが本来であればビジネスマンとして当然のアクティビティである言えるのではないか

イノベーション

本著でもっとも印象に残った一文はこれだ。なぜ企業が存在するのかを明確に示していると思う。

企業活動とはイノベーションを生み出す営みである。世の中に存在しない新たな価値を生み出すことによって、企業は成長し、社会は発展してきた。革新は経営の根幹である

経営とは「価値創造活動」である。社会が必要とする、社会が求める価値を創り出すことが経営の目的である

 

それに対して、現場が担うべき機能、マインドはこれであろう。ただ、こういう組織になるには非常に難しいとも思うが、理想であるのは間違いない。

指示があれば動く、命令があれば動くという現場のままでは、VUCAの時代は生き残っていけない。「自律する現場」が機能してこそ、絶え間ない変化をチャンスにつなげることができる

現場は変化に対して自ら方向性を定め(self-directed)、自ら調節し(self-adjusting)、自ら改善(self-improving)する能力を持たなければならない

 

自分が経営している組織を考える上でも、こう言ったスタンスは今後より必要になると思う。だが、なかなか浸透しないもの。仕方がない部分もある。

自前主義が強すぎる傾向にある多くの日本企業にとって、「上手に外を利用する」ことは時間を武器として戦うために避けては通れない課題

自前主義に対する考え方。全て社内でやろうという考え方は古い。様々なツールが廉価に使える時代において、効率化を超えた外注化は必須要件だ。月間100件の電話を1万円で代行してくれるサービスもある時代。もっとも高価で代替の利かない人件費コストのあり方を見直し、我々人間がやるべき仕事を再定義すべきである。

答えのない仕事に対して僕らは活動すべきである、そして本著で散々語られるように俊敏性を持ってDOするのが重要だと思う。

 

まとめ

  • 過去の常識を否定し、まったく新たな発想で物事を「変身」させることが必要
  • 企業活動とはイノベーションを生み出す営みである
  • 組織運営において必要なのは内製化ではなく、外注化・システム化である
LFP

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