vol.38「50過ぎたら、ものは引き算、心は足し算」から見える20代の若者に伝えたいフレーズ
ひょんなきっかけで知り合った、日本とニュージーランドのデュアルライフを送る方から紹介してもらった。ビジネス書とは趣が異なり、"人生"を考えさせられるふわっとした感覚の書籍だ。心が和むと思う。
タイトルから分かるように、加齢とともに、物を減らしながら、心の充実を如何にはかるかということが記されている。もともと、著者は掃除のプロフェッショナル。自分との共有点も多分にあり、掃除道を極めんとしようとする姿勢が素晴らしい。
掃除と人生をクロスさせた記述は今までに味わったことのない文体で、女性らしさも良い意味で歳を重ねている深みも文体から伝わってくる。抜粋。
前向きに明るく希望に向かって進んでいく人は、 80 歳であろうと 90 歳であろうと、周りの人には青年のように光り輝いて見えます
暮らしからものを引き算し、すっきりと整理整頓された心に、希望の足し算をしていく。それが、気持ちのよい明るい人生を送るのに、大切なことではないでしょうか
若さの秘訣というわけではないが、長らく仕事をしていて感じるのは、生き生きとしている人は発想も若いし楽しそう。何より源になるのは好奇心とチャレンジ精神。常に興味を損なわず、行動している人はまさしく輝いて見える。逆に若くても老けて見える覇気がないように見えることもあるなと思う。
掃除、という専門的な話における解説が同業だけに深く響く。抜粋。
「汚れて気になるから」 そうじするのではなく、 「きれいを保つ」 ためのそうじが必要
そうじは「好き」でも「嫌い」でもなく、「上手になる」ことが大切
そうじの基本は、「はたく」、「掃く」、「拭く」、「磨く」
理想の家の条件の1つが「大掃除をしない家」だと思う。なかなかそうはいかないが、汚れる前に掃除するという習慣がつけば、年末?だけ掃除ということは起こりえない。仕事にもこの考えは通じる。事が起きてから動くのを当然と考えず、事が起きない予防をする、それが寛容であろう。難しいけども、、、
タイトルにもあるものを引き算の考え方が深い。抜粋。
ものが少ない方が、心に迷いが少なく、いつも穏やかに暮らせます。 実際に周りにものが多いと、「どれにするか」と迷ったり、心が散漫になったり、集中力を欠いてしまうといわれています
ミニマリストなんて言葉があるが、物が溢れる現代において、この考え方は先進的だと思う。不思議なもので、物が不足している時代は物で心が満たされると思ってきたが、いざ、物に満たされるとそれでは心が充足しないと感じる。つくづく人間とは究極にわがままな生き物だと思う。ものを大切にする精神、ものを整理する習慣、いずれも大切だと思う。
人生における訓示とも取れる内容には頭が下がる。
今やらなければいけないことを、「いつかやろう」、「明日から始めよう」と思っている人は、結局何も始められない人なのです
残りが 30 年の人も 40 年の人も、みな平等にいつかは制限時間がやってくるのです。この限りある人生だからこそ、毎日を心穏やかに楽しく過ごせることを心がけるのです
「人と比べない」、「気にならない」、「競争しない」という人は心穏やかで幸せです
仕事でも人生でもどうやって心を保つのか、これが本当に難しいと思う。仕事に対する姿勢、自分なりの成長するためのルール、他人との接点も持ち方、若い次世代を担うリーダーの人たちには是非とも自分の軸を持つことを意識して欲しい。
良い習慣の積み重ねが人格を作り、良い仲間とのつながりが己のブランドを形成する。それこそが、自分自身の価値であるし、それは意識しなければ形成されない。今日からできる良い習慣を続けて欲しい。
最後に、主婦の方が聞いたら怒りそうな一節。
男性たちが、〝家事ができない〟のが悪いのではありません。 「やろうとしないから、チャンスがなかったから」と言って「任せなかった、させなかった」女の責任でもあるのです
主婦の方、女性からすれば、「ふざけるな!」となるだろうが、考え方にはagreeだ。つまり、やらないのは相手の責任ではなく自分の責任だという事。夫婦間はいざ知らず、この感覚はあらゆる優秀な人が備えている事なのだと痛感した。もっと家事やろう、と思った。
まとめ
- 人生を生き生きと過ごすには好奇心とチャレンジ精神が欠かせない
- ものが少ない方が、心に迷いが少なく、いつも穏やかに暮らせます
- あらゆる物事において、やらないのは相手の責任ではなく自分の責任である