良著から見えてくる20代の若者に伝えたい仕事に効く100フレーズ

日々読破している様々な書籍の中からフレーズを拾い、ぜひ20代のニューリーダーに知って欲しい「仕事に役立つエッセンス」を紹介しています。仕事に悩む若き社会人の一助になればと願います。メッセージでのご相談大歓迎です!

vol.32「WHYから始めよ!」から見える20代の若者に伝えたいフレーズ

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これほど身震いする動画も珍しい。ゴールデンサークルという理論を駆使して、成功したリーダーはどうやって物事を考え、伝えるべきかを解説している。動画に出ている内容を細かく噛み砕いているのが本著である。

本物のリーダーとはWHYを持っている、WHYに基づいて行動しているということを彼は一貫して述べ続ける。抜粋。

<ゴールデンサークル>は、最初に「なぜ」と自問することで全てを始めようと肝に銘じていれば、以前よりずっと大きなことを達成できるという動かしがたい証拠を示している

WHYはただの信念にすぎず、HOWはその信念を実践する手法であり、WHATはそうした行動の結果である

 

下図がわかりやすい。最も重要なのは「なぜその事業をしているのか」であり、「どうやって儲けるか」では無い。人をインスパイアするにはこの「WHY」がなければならない。 

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 スターバックスもコーヒーを売っているのでは無い。彼らのWHY(ビジネスコンセプト)は「第三の場所の提供」だ。スターバックスは安らかな空間を提供したいと思うからこそ、陶器を使わない。カチカチといった洗う音が聞こえたら第三の場所としてふさわしく無いからである。だから全て紙コップ。

価格競争についての言及が面白い。抜粋。

ドラッグの世界では、麻薬常習者のことを「ジャンキー」と呼ぶ。ビジネスの世界では、価格以外ではほとんど差異がなくなった製品のことを「コモディティ」と呼ぶ

どうすれば価値提供することで価格競争をしないで済むのか。そこにはやはり経営者のリーダーの大義=WHYが必要なのだと思う。

しかし厄介なのは自分も含めてほとんどがこのWHYではなくHOW、WHATばかり考えていることであろう。

私たちは、自分のWHATは説明できる。ときにはHOWも説明できる。ところが、そうしているWHYを、説明することはめったにない

よく例に上がるのはAppleだ。なぜ自分も含めてこれほど熱狂するのか。魅了されるのか。私見だが、Appleの最大の発明はiPhoneでは無い。音楽の聴き方、付き合い方の根本を変えたことだと思う。

 

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MP3は音楽を聴く場所を変えただけではない。音楽の文化が、アルバムを集めるものから、曲を集めるものへと変化した。音楽業界はあいかわらずアルバムを売ろうと躍起になっていたが、そのモデルはもはや消費者の行動にそぐわなかった。アップルは「1000曲をポケットに」という謳い文句でiPodを紹介した。iPodiTunesを発売したアップルは、MP3とMP3プレーヤーの両方の価値が私たちの生活様式にふさわしいことをうまく伝えた

僕らは音楽はCDを購入し、聞きたくも無いその他の曲を聴くことに疑問を抱かなかった。その潜在ニーズをAppleは掘り起こしたからこそ、iPhoneの爆発的な人気につながった。性能やデザインだけでは無い。スタイルの変化に切り込んだことがイノベーションであろうと思う。

第8章で語られた経営者のタイプの話が興味深い。ビルゲイツとポールアレン、ジョブズとウォズニアック、ウォルトディズニーとロイ。ビルゲイツジョブズもウォルトディズニーもWHYタイプの経営者だった。アートタイプともいえるであろう。著者が言うように全ての人がWHYタイプだとビジネスはうまく運ばないと述べている。日本風に言うと「右腕」「参謀」と表現していいと思う。

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20台の若手ビジネスマンが自社も含めて企業を俯瞰して見るときに、その経営者にはHOWタイプの参謀がいるか、と言うのも重要な視点かもしれない。夢を語るのがある一定の経営者像であろうが、それだけでは成長しない。具体的に形にする立役者がいるかも、企業の趨勢を担う要素かもしれない。

企業のあり方を述べた一節が深い。考えさせられる。

企業は文化である。そして、一連の価値観や信条に共鳴する人々の集合体でもある。社員を束ねているのは、製品やサービスではない。企業を強くしているのは、規模でもなければ影響力でもなく、文化である

経営者だけでなく、若いビジネスマンも自分が生きていく上でのこだわり=WHYを考えさせられる名著である。ぜひ動画だけでも見て欲しい

 

まとめ

  • 本物のリーダーとはWHYを持って行動している
  • 企業を強くしているのは、規模でもなければ影響力でもなく、文化である
  • 自分のWHYを明確にすることで自分をブランド化せよ
WHYから始めよ!―インスパイア型リーダーはここが違う

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