vol.13「限界はあなたの頭の中にしかない」から見える20代の若者に伝えたいフレーズ
人生は、単なる瞑想によって成し遂げられる成果よりも、行動によって成し遂げられる成果のほうが、より多い
冒頭から読み終えたらわかるが、いかにも著者らしいセンテンスが繰り出されている。どんな仕事でも、求められるのは評論家ではなく実行者である。
読むまでは名前すら知らなかったが、米国では知る人ぞ知る方で、実践マーケティングの巨匠と言われている。具体的にアイデアを出し、それを実行する。Know HowではなくDo Howを重視しているスタイルの持ち主だ。
第2章の題目である「成功者は皆、他者から学ぶ」というものがある。ことわざでも愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶというものがあるが、まさしくその通りで、学ぶとは真似るが派生した言葉である。いかにして成功者のやり方を真似て、成功者の失敗を知り、そこからオリジナルを創出するかが、成功の分かれ目なのだろう。
だが、多くのビジネスマンにはこの概念が欠落しているように思う。何でも己の頭でのみ考え、一人で実行し、一人で失敗していくことで成功すると勘違いしている。仕事の喜びは一人では実現しにくく、仮に実現できたとしてもその喜びは少ないはずだ。
だから、一流ビジネスマンに求められる能力に必ず「巻き込み力」というフレーズが並ぶが、そう言った理由からだと思う。自分だけでできることなんて、たかが知れている。理念を掲げ仕組み化するから仕事は効率的に進行し、成果が大きくなり、悦びが倍増するんだと思う。
著者が語る仕事の定義があまりに深い。
仕事とは、あなたの「独自の価値」を他者に与えた分が、報酬として与えられることです。
的確な表現だと思う。同時に、働けることのありがたさと、給料を受け取ることをありがたさをもっと感じるべきだ。給料はもらえて当然なのではなく、成果を出した結果だと捉えるべきだ。
大変だと言ったら毎日の仕事が嫌になる。しかし、これは試練だと思えば乗り越えられると信じています。自分の人生に対するわかりやすい著者の言葉を抜粋。
誰ひとり、あなたの人生を、あたなより先に歩んだ人はいません。道なき道を登るのですから、曲がりくねるのは当然です。あなたの歩んだあとに初めて道ができるのです
つまりは物事は捉え方次第で、辛くも楽しくもなるということだと思う。
他にも心響くフレーズが数多あるが、それは最近始めたTwitterを見て欲しい。
本著を訳した方が最後に「あとがき」として綴っているのだが、まさかのここで涙してしまう感動話があった。確かにこれだけ有名な著者にもかかわらずamazonで検索しても著書は数冊しかない。それは自身のノウハウが外部に漏れることを敬遠しているからであり、それは彼のブランドを守るためでもあるということらしい。まあ当然といえば当然だ。
ではそのジェイ・エイブラハムが、なぜ日本での発売を認めたのか。それは日本の若者の自殺率の高さを知ったからだと書いてある。日本の年間自殺者数は3万人を超えている。社会問題にもかかわらず日常化しているため、大きく取り上げら得る機会も少ない。
これは自分自身も将来的には取り組みたい日本の大きな課題であり、実は本ブログで情報を発信している行為の目的の一つでもある。辛いことの方が人生は多いかもしれないが、それは自分だけでは決していない。皆、失敗するし、学ぶから人生なんだと思う。物事をあまり悲観的に捉えず、もっと前向きに捉えるべきだ、そんな感情が若い人に芽生えれば嬉しい。
偉大なる著者にもそういう思いがあると知り、逆に勇気をもらうことになった、忘れられない一冊であった。
まとめ
- 人生を豊かにするのは瞑想ではなく行動である
- 自分の人生は唯一無二であり、だからこそ険しくて当然である
- 成功者は皆、他者から学ぶ。真似ることが学ぶことである