良著から見えてくる20代の若者に伝えたい仕事に効く100フレーズ

日々読破している様々な書籍の中からフレーズを拾い、ぜひ20代のニューリーダーに知って欲しい「仕事に役立つエッセンス」を紹介しています。仕事に悩む若き社会人の一助になればと願います。メッセージでのご相談大歓迎です!

vol.5「リーダーは夢を語りなさい」から見える20代の若者に伝えたいフレーズ

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新幹線清掃をブランド化した鉄道マン「矢部輝夫」氏の2冊目の書籍である。

最近、仕事で大阪に行くことが増えた関係で新幹線に乗る機会が増えたが、いつも車内の清掃は行き届き、笑顔で振舞う彼女らのキビキビとした行動を見ていると、組織のあり方はリーダーでどうにでもなるんだと実感する。

国鉄時代から鉄道に関わる仕事をしてきた著者の生い立ちから、新幹線清掃会社TESSEIを率いてからの話まで盛り込まれており、これから組織のリーダーを志す20代の若い方にも是非とも読んで欲しい名著だと思う。

冒頭にあるこの一文に全てが集約されている。抜粋。

リーダーは人を変えようと思うな。夢を語り、その夢を叶えられるように環境を変えよう

やる気のある人ばかりが集まった組織ならこの考えは不要かもしれないが、基本的に多くの会社・組織はやる気のない、言われたことだけをこなす、新しいことをやらない理由を考える集団だ。だからこそ、個人の能力に依存しない環境と仕組みが求められるわけで、それを形作る、上流の仕事をできる人材が今後さらに必要とされていく。

鉄道を管理するJRだって環境と仕組みで回っている。本著にあるように、首都圏で1日に列車を利用する顧客は1,400万人常時走っている電車は650本JR東日本で同時に働いている社員は12,000人。高度なマニュアル、ルール、仕組みがなければ回るはずがない。

働いている人はこなすことに必死になっているが、忘れてはならないのは必死になれる環境を作った人が過去にいたという事実だ。どの会社・組織も最初は何もないところからスタートしている。徐々にルールが敷かれ、少しずつ仕組みができてきているから誰でも働ける環境になっているだけだ。

序章に書いてあるケーススタディに強烈に共感する。根性を入れて「徹底」している間は改善ではない。列車事故が起きたから、これまでにやり方に拘泥し、盲目的に取り組んでいたらまた同じミスが起きる。人間に厳しくしても長期的に見て、事故は減ることはない。大切なのはそのミスを防ぐであろう具体的な施策を講じて、これまでのやり方を進化させ、誰でもできる環境に変えることだ。

そして、人間とは阿保な生き物であり、こういったミスがないと自らを律し、これまでのやり方を正すことができない。事故が起きているということは仕組みが悪い、組織が歪んでいる証拠だ。だからこそ、現場で起きている些細なミス、現場の人の意見を吸い上げて、具体的な行動に移すことが、大事故を防ぎ、また、新たなサービスを生むきっかけになると信じている。

第3章で現場スタッフがやるべき内容について触れている。抜粋。

現場は、「本社は現場のことをわかっていない、会社は何もやってくれない」と文句ばかり言うのではなく、その前に自分たちがやれることがあると考えるべきなのです。

強く共感する。現場のみならずビジネスシーンであってはならないのは「意見」ではなく「文句」を言うことだ。憂えてばかりいても課題は解決しない。そこで考えて具体的な策を講じるからこそ、物事は前に進むのだ。やはり事故責任の持ち方が仕事の出来不出来を左右するということである。

本著にもあるが、人は変化を嫌う。しかし、世の中は絶え間なく変化しており、その変化に企業、個人を合わせなければ生き残れるはずがない。常に変化していることが当たり前という考えを20代に持てるかで、その後の人生が大きく変わると断言できる。

 

まとめ

  • どの会社も過去に仕組みを作った人がいるからこそ、自分が働けていると感謝せよ
  • 根性を入れて徹底することは不要である。誰でもできる環境を構築せよ
  • 「変化をして当然」という意識を持つことが、将来を明るいものにする
リーダーは夢を語りなさい (PHPビジネス新書)

リーダーは夢を語りなさい (PHPビジネス新書)