良著から見えてくる20代の若者に伝えたい仕事に効く100フレーズ

日々読破している様々な書籍の中からフレーズを拾い、ぜひ20代のニューリーダーに知って欲しい「仕事に役立つエッセンス」を紹介しています。仕事に悩む若き社会人の一助になればと願います。メッセージでのご相談大歓迎です!

vol.45『「やる気」と「能力」を引き出す教え方』から見える20代の若者に伝えたいフレーズ

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平易な文体で、非常にわかりやすい内容。これからのリーダー職には必携の一冊だろう。仕事をすることと仕事を教えること。仕事をできている人が、仕事ができていない人に教えるわけだけども、それがすごく難しい。なぜなら、教え方を習ったことがないから、と冒頭に説明がある。なるほど。

よくいう「仕事の悩み」とは何であろうか。日々、仲間と話すが、結局のところ、人間関係で悩んでいると思う。もちろん、業績が上がらないということもあるだろうけども、上司と部下、同僚、外注先、などなど、コミュニケーション不調による悩みが大半を占めると思う。

ではなぜ、コミュニケーションがうまくいかないのか。抜粋

本来、人はそれぞれ違います。それぞれ違う人たちに教えるのだから、難しいのも当然です

これは本当に深い話。自分の思うこと、予測したことが起きなくて(リアクションがなくて)、嫌な気持ちになるからイライラしたりする。自分と他人は違うんだ、という前提に立てていれば、確かにそういう気持ちも下がるかもしれない。まあ難しいけども

 

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社内の話だが、先日、初めて20名の社員クラスに対して、やる気診断を行った。社内位置の認識、存在価値、仕事への向き合い方、など、色々と数値で評されるのだが、確かにこれをみても皆バラバラ。個性という言い方もできるし、得手不得手ということも言える。だからこそ、それをつなぎとめるためにコミュニケーションというものが存在するんだと思った。

ちょっと話がずれたけども、本著にある「教え方」について抜粋。

教えることのゴールは「相手が変わること」に他なりません。説明が上手、話が面白い、相手から好かれるなどの要素は、手段であって目的ではないのです

教える目的は、説明することではありません。相手が何かしらの行動を「できるようになる」ことが本来の目的です。つまり、相手にできるようになってもらわなければ、意味がないのです

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仕事をしていて、相手と話しているときに、理解する、物事が進めば問題ないんだけも、そのプロセスで気に障ったことがあると、目的が変化してしまいコミュニケーション不調に陥ることは往々に見受けられる。不測の事態が発生した時も、本来の目的が何かを考えながら行動することは本当に大切だと思う。

教える側のスタンス、考え方について述べている文章がわかりやすい。なるほどと膝を打つ。抜粋。

教える側が「あなたが私に合わせなさい」というのは間違いです。教える側が、相手のレベルに合わせるしかないのです

「困ったら相談してください」という言葉は便利ですが、一方で難しい側面もあります。「困ったら」には個人差があるからです

ものごとを覚えるときの段階を著者はこう説明する。

  1. 理解
  2. 整理
  3. 記憶
  4. 反復

これを教える側が意識するだけでもかなり価値があると思う。理解してもらわないと何事も始まらない。こんな当然のことを見失いがちだなと思う。

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そしてさらに納得感高い説明する時の手順がこれ。

  1. 概要をつたえてから
  2. 詳細を話して
  3. まとめ(概要の言い換え)を話す

こうすると相手が理解する、確かに。これも意識しているだけでコミュニケーションが高まりそう。

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わかりやすく、一番心に残った一節はこれ。

やる気のないひとの頭にスイッチを入れるのは、叱咤激励ではなく質問です

本当にその通り。相手が理解して行動してもらうことが必要。そうなると、この質問力こそ、仕事をする上で必要な要素だと思う。そのためには本質を理解し、相手が理解していない気持ち、内容を把握して、短くもわかりやすい文節で投げかけることが必要。でもこれもまあかなり難しいスキルだとは思う。

文中にあったわかりやすい事例。抜粋。

たった一言で求心力のある資料を作らせる魔法の質問、それは、「この資料を通じて、伝えたいことをたっぷりとつだけ挙げるとしたら?」

物事は具体的でないと相手に伝わない。相手が理解した、と言ってもほとんど理解していないことの方が多い。そしてこの「具体的」を自分の言葉に置き換えるとそれは「ビジュアル化」と「数値化」に違いない

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ピラミッドを説明するときに、写真を見せて高さ139mだよ、と言うと伝わると思うが、写真もない、数値言及もなくて、伝える自身があるか?答えはNOであろう。そのくらい、ビジュアルと数値には威力がある。

 

相手に教えるときに往往にして起こる、相手が理解しない問題。ビジネスシーンはこの事象で溢れかえっているように思う。これは筆者と全く同じ意見であり、結局のところ教える側に問題がほとんどある。

教えてもなかなか定着しないとか、教えたのに思っているのと違った動きをしてしまうことがあれば、目的の説明が不足しているかもしれません

「説明しても理解してもらえない……」と困ったとき、具体度の低い方法だけで説明していないか確認してみてください。そして、具体度を上げる説明の手段を考えるのも一手です

指導者であるあなたは、やる気のない人を見捨てるわけにはいきません。「あいつはやる気が無いから、できるようにはならなかった」と認めることは、あなたの指導力不足を認めることと同じです

なぜこのスタンスが悪いのかを自分なりに付け加えるとしたら、それは教える側の能力が引きがらないから、と言えると思う。原因を相手に限定するということは自分の教え方に問題がないと認識しているということ。つまり、教え方が100点だと言う根拠に基づいていることになる。でも実際はそんなことはない。

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子どもに「食べられることの大切さ」を説いても最初から理解しない。でもそんな子どもに対して親は理解しない子どもを責めずに教え方を工夫しているはずだ。「残したら鬼が来るよ」「全部食べたらおやつがあるよ」など。相手は社会人だ、と反論もあるかもしれないが、理解していないと言うことで言えば、大人も子どもも同じである、理解力だって個人差がある。だからこそ、工夫しないといけないと思う。

最後に教えることの尊さを述べている抜粋を紹介。

相手に恨まれたとしても、後になって「あの人に教えてもらってよかった」とこっそりでも感謝されて、その人の人生をいい方向に変えていけたら、それでいいのではないでしょうか

素晴らしい書籍。他にも物事を教えるエッセンスがわかりやすく書かれており、繰り返し読み深めたい一冊だ。

 

まとめ

  • ものごとを覚えるときの段階「理解」→「整理」→「記憶」→「反復」
  • やる気のないひとの頭にスイッチを入れるのは、叱咤激励ではなく質問
  • 教えても相手が理解しないのは、教える側の説明が不足しているから
部下も気づいていない「やる気」と「能力」を引き出す 教え方 (アスカビジネス)

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