良著から見えてくる20代の若者に伝えたい仕事に効く100フレーズ

日々読破している様々な書籍の中からフレーズを拾い、ぜひ20代のニューリーダーに知って欲しい「仕事に役立つエッセンス」を紹介しています。仕事に悩む若き社会人の一助になればと願います。メッセージでのご相談大歓迎です!

vol.35「ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法」から見える20代の若者に伝えたいフレーズ

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Yahoo! JAPANにおける、社内コミュニケーションに関する書籍だ。著者はYahoo! JAPANの人事責任者の本間浩輔氏。IT企業で働く若者と上司とのコミュニケーションの新しいあり方を提示しており、非常に興味深い。20代の若きビジネスマンとしても、どのように会社と付き合うのか、学べる名著である。管理者サイドからするとノウハウが詰まっている書籍と言える。ただ、Kindleで読むのはオススメしない。拡大できず読みにくかった(笑

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取り上げられている手法が書籍のタイトルにもなっている「1on1」。これは、部下のために行う面談であり、上司のための報告でも、連絡でも、相談でもない。能力を引き出すために、部下都合で全てが考えられるているあたり、当たり前といえば当たり前だが、なかなか普通の会社ではできないのが実情ではないか?

根底にあるのはコミュニケーションの在り方だ。抜粋。

毎月1回1時間話すよりも毎日15分ずつ話した方がいい。コミュニケーションは頻度が大事です

評価する、管理する、減点する、というのが日本のかつての企業だ。確かに従順な部下は可愛いかもしれないが、経営者の立場からすると、意見を言わない社員は正直いらない。会社の理念を理解し、世のため、お客様のため、そして自分のためにできる、自走できる人間が必要だ。あくまで上司はこの意味合いをサポートする役割であり、監視者・弊害者になっては決してならない。

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冒頭で出てきたわかりやすい社内風土ワードが刺さる。抜粋。

ヤフーの社内では、「空振り三振は許すけど、見逃し三振は許さない」とよく言われます

なるほどと膝を打つ。行動することの重要性がうまく表現されている。

「何を言っても理解してくれない」と悩む上司は多いが、納得できる一文を抜粋。

「7:2:1」の理論というものがあります。これは、人の成長を決める要素の比率と言われていて、7割は「仕事から学ぶ」割合、2割は「他者から学ぶ」割合、そして残りの1割は「研修や書籍から学ぶ」こと示しています

部下が悪いのではなく、上司の導き方が悪いと言える。かつてのビジネスシーンのように、知識・やり方を覚えさせるのではなく、本質を掴むために、考えさせ、経験させるのが大切だということだろう。会社はあくまで社員が活躍するフィールドでなければならない。

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著者が本著で語る「教育」が凝縮された一説。非常に含蓄に富んでる。抜粋。

仕事はお金を稼ぐ手段であり苦役であるという考え方は否定しません。しかし、社員が自分の仕事に納得し、やりがいを感じ、意味や意義を感じる仕事ができるような会社にするためには、社員に自分のキャリアについてよく考えてもらう必要がありますし、そのためのツールや機会を会社は提供するべきだと思っています

前提にあるのは本著にもあるが「人は誰でも自ら考えて行動し、それを振り返ることで成長することができる」ということだ。長く務めていること=先輩が全て優れているとは限らないし、そもそも比較することがおかしい。新人といえども、その世代、その人の個性・強みを引き出して、その時代その時代を生き抜く、価値創造のための同志のハズだ。

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むしろ、これだけ価値観も時代のニーズもルールも変わっているのだから、古い=長く務めているだけはブランド価値が低くなる。それだけに、80年代の日本の上司部下の関係は古びている。だから、本著のように、教え込むのではなく、引き出すという教育論・在り方が昨今増えているように感じるのは偶然ではないと思う。

上司としての関わり方が記された行動内容が心を打つ。これからの上司像をみるような気がする。抜粋。

部下と約束した行動計画が守られなくても、そのことを非難しません。その代わりに、「なぜ行動計画はできなかったんだろう?」と聞きます。部下の気持ちになってみれば、上司と交わしたコミットメントを守れないとしたら、それなりの理由があると思うからです

自分が活躍するのではなく、「部下が活躍する舞台をつくるのが上司の仕事」であり、それができない社員は管理職から外れてもらうというメッセージを示しました

「あの選手は何を言っても理解しない」という言い方があります。ビジネスの世界でも、部下についてこう言う人がいますよね。では、理解しないのは誰が悪いのかというと、選手でも部下でもなく、言っている側だと思います。

上司とは部下の成長の責任を担うべき存在であろう。風邪をひいても、成果が出なくても、上司が上司の責任として捉えながら、その尊い挑戦を褒め称え、これからどうすれば成功するのかを話し合えるパートナーになるべきであろう。決して、意に介さないことがあっても、怒鳴るなどの腹いせを行なってはいけない。

 

これからの会社と社員との在り方に納得する。やはり個人がもっと強くならないといけないし、それを助長するために組織が存在する時代なのであろう。抜粋。

これからの会社はチームであり、社員はプレーヤーとして市場価値に応じた給料を得て、高いオファーがあれば、ためらわずに移籍していく、そのような時代になっていくように感じていました

会社の言う通りにやっていれば雇用も賃金も保証する、という時代ではなくなりました。その意味で、企業は社員に「キャリア自律」をうながす必要に迫られています

最後に、我々の働くフィールドとその役割をわかりやすく記した一文で締める。

 

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以前のビジネスは野球だったんです。守備位置も、守備と攻撃のタイミングも決まっていて、監督の指示に従って力を発揮すれば試合に勝てていました。でも今は、一人一人が主体的に、臨機応変に動かないと勝てません。サッカーでは、監督の指示を待っていたら勝てないです

 

まとめ

  • コミュニケーションは時間ではなく頻度が大事である
  • 人は誰でも自ら考えて行動し、それを振り返ることで成長することができる
  • 各自が市場価値に応じた給料を得て、高いオファーがあれば、ためらわずに移籍していく近い将来に向けて、ますます「キャリア自立」が求められる
ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法