良著から見えてくる20代の若者に伝えたい仕事に効く100フレーズ

日々読破している様々な書籍の中からフレーズを拾い、ぜひ20代のニューリーダーに知って欲しい「仕事に役立つエッセンス」を紹介しています。仕事に悩む若き社会人の一助になればと願います。メッセージでのご相談大歓迎です!

vol.34「生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方」から見える20代の若者に伝えたいフレーズ

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働き方のあり方が問われる昨今を象徴するような書籍だと思う。(株)パプアニューギニア海産の工場長である武藤北斗氏が、自身の奮闘の果てに生み出された従業員と経営層の関わり方をリアリティーに描いている。

このパプアニューギニア海産という会社は、東日本大震災で被災し、石巻のエビ工場と店舗は津波ですべて流されたという。福島第一原発事故が追い討ちをかけ、工場の大阪移転を決意してから、著者は苦悩に苦悩を重ね、どうすれば良い会社になるのか、従業員の立場に立って実行している。

 

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メディアにも取り上げられている「出退勤時間は自由」「嫌いな作業はやらなくてよい」などといった取り組みは、一見常識はずれとも取れるが、いやいやそんなことはない、これから積み上げられるあり方かもしれない。そんなことが書いてある。

戦後の復興、高度経済成長の中では、これまでの働き方の常識は有効だったのかもしれません。しかし時代は変わりました。物や情報が溢れ、ライフスタイルが変わった今の社会では、人の心を無視して経済だけを中心にした考えでは、多くの人たちが幸せを摑むことができないのです

そう、時代は変化している。それも劇的に変化しているという、当然とも言える感覚を持っていないと、全てが前例主義前提となり、個人の、企業の成長を阻む大きな要因となってしまう。著書こそ違え、改革者はこの時代の変化を当然として受け入れ順応しているものだとつくづく思う。

 

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企業と従業員はどういう関係が好ましいのか?自分も人並みに考える毎日だ。管理、監視が当然とされてきた日本の企業において、その考え方が問われているように思う。

人が人を管理しようとすると、ちょっとした行き違いでも気力を失ってしまう。逆に個々の自主性を大事にすることで、気持ちが前向きになり、効率や実績が上がる可能性がある

仕事は必ずしも楽しいものではないけれど、そこで居心地よく働けることは大事であり、その結果として楽しみがついてくる可能性はある

好きなことを仕事にすることの大切さを語る人は多いが、それができない人が多いのが実際であろう。ただ、この引用にもあるように、居心地よく働くことは、会社側が工夫することで実現できると思う。

従業員同士が快適に居心地よく働けるために著者が設けたルールが深い。

  • 従業員同士の悪口を言わない
  • 挨拶を大きな声でする
  • 時間を守る

シンプルだが大切なことだと思う。今後、どのような組織にいようとも、このルールはずっと真似していこうと思った。素晴らしい。

 

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経営者として、会社としての役割とは何なのか?売上を上げる、雇用を守る、新しい事業を作るなど様々だが、やはり本質はこれだと、本著でも再認識させられる。

会社の役割というは、結局のところ一点につきると思うのです。それは、いかに職場環境を整えて従業員一人一人が生き生きと働ける会社にできるかということ

そう、経営者だって一人では何もできない。だからこそ仲間を招き入れるのであって、その人たちが活躍しなければ雇用する意味合いは薄れてしまう。だからこそ、輝けるステージを用意することは、経営者にとって最大の責務であろう。

その上で、自分も強く意識するのはこれでもかというくらい具体的に物事のルールを決めるということだ。抜粋。

現場において争いを生まないためには、まずは作業の根本的なところを統一し、曖昧なルールもきちんと線引きするようにしました。その際も品質のことを考えながら、パートさんの意見を反映していきました

「包丁の使い方」「掃除の順番」などの作業の細かな段取りを統一し、「朝の挨拶のタイミング」「室温が何度になったら冷房をつけるのか」「トイレに行きたくなったら誰に報告するか」など、作業には直接関与しない曖昧なルールに関しても明確に線引きしていきました

完全agreeである。これがないと、社内にいるベテランがルールそのものになり得る。そして現場は荒れて人が辞めてしまう。「きちんとやってほしい」「常識で考えよ」などという、いかにも昭和的且つ抽象的な発言・陰口が横行する。だからこそ、ここまで細かな秩序が必要と断言できる。細かいからこそ、人は迷わず、争いも起きずにそのコミュニティが健全化する。交通ルールがなければ毎日もっと人が亡くなるはずだ。だからこそ上に立つ人間がこれを強く認識しないといけない。抽象論は排除だ。

 

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後半に書いてある、著者の想いが溢れるあるべき会社像に心を打たれる。

居心地のよい職場になるためには、上司や同僚や後輩との間に信頼し合える関係が構築され、助け合い切磋琢磨し、そして、ときにはそっと一人にしてくれるような配慮さえある。そんな心地よい人間関係であり職場環境であれば、本当に働きやすい職場となり、どんな仕事にもやりがいが出てくるはずです

結局、みんな自分の環境や働き方に満足していないから、他者にプレッシャーを与えたり、自分が優位な立場になってコントロールしようと必死になるのです。個々人がその状況に納得して、働きやすいという環境にいれば、自然と周りも同じように考えて働きやすい職場になっていくはず

 

職場についてどうあるべきか、このブログを読んでくれている20代であろう若い人たちが作る未来はもっと明るいと信じたい。そして一人でも多くの方が、勇気を持って行動する契機になればと願っている。

 

まとめ

  • 時代が劇的に変化している前提で働き方、キャリアを考えよ
  • 会社の役割とは、いかに従業員一人一人が生き生きと働ける会社にするかである
  • 誰でもわかる細かいルール・秩序がなければ、人は安心して働けない
生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方

生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方